エックス線作業主任者過去問解説(05下公表問題)

何がしかの基礎知識なりテキストなり持ってる人を対象に簡潔な解説にした。


エックス線作業主任者試験A 1/2 エックス線の管理に関する知識

問1 答(4)
距離1mにおいて3月での線量当量=0.9mSv/分*1.5分/枚*22枚/日*3日/週*13週=1158.3mSv
これが1.3mSvを超えると管理区域となる、また線量は距離の二乗に反比例するから
sqrt(1158.3/1.3)=29.85m、これを超えて最小の選択肢は30m

問2 答(2)
透過率 = I(透過後の線量)/I0(透過前の線量) = exp(-u(線減弱係数)*x(厚み))
これの対数とったlog(I/I0) = -u*x を元に考える
鋼について log(0.2/2) = log(10^-1) = -1*log10 = -u1*10、log(i1) = log(10^-n1) = -n1*log10 = -u1*15
この二式から n1=1.5 よって i1=10^-1.5
アルミについて log(0.2/2) =-1*log10 = -u2*50、log(i2) = log(10^-n2) = -n2*log10 = -u2*25
この二式から n2=0.5 よって i2=10^-0.5
全体の透過率 i1*i2 = 10^-1.5 * 10^-0.5 = 10^-2 = 1/100 ということで 2mSv /100 ≒ 20uSv

問3 答(2)
散乱は照射方向と同軸方向(0degに近い方、180degに近い方)が多い

問4 答(2)
(2)×電子2個分のエネルギー1.02MeV以上のエネルギーが必要

問5 答(2)
(2)×

問6 答(5)
(1)×制動エックス線の説明
(2)×ターゲット原子に特有な波長なので変化しない
(3)×特性エックス線の説明
(4)×特性エックス線

問7 答(5)
A×λmin(nm)= 1.24/Vmax(kV)なので波長が短くなる
B×同上

問8 答(1)
(2)×マイクロアナライザー 分光
(3)×厚さ計 散乱・透過
(4)×蛍光分析 分光
(5)×透過試験 散乱・透過

問9 答(2)
B×陰極で電子線を集束させる
D×長方形、ターゲット垂直方向を実焦点、エックス線束方向を実効焦点

問10 答(2)
B×管理区域境界で線量が規定を超えていないか確認
D×できる


エックス線作業主任者試験A 2/2 関係法令

問11 答(3)
(1)必要
(2)不要
(4)できない
(5)不要

問12 答(3)
A×6月でなく1月、1年でなく6月
D×不要

問13 答(4)
A×よい
C×放射線装置室以外の場所または150kV以下を除き自動警報装置が必要

問14 答(1)


問15 答(1)
(a:胸部(妊娠可能な女性は腹部)、b:最も多い場所が次の部位以外ならその部位、c:頭・頸部、胸・上腕部及び腹・大腿部で最も多い場所)

問16 答(5)
(1)×5年で100mSv、1年で50mSv
(2)×150mSv
(3)×500mSv
(4)×500mSv
(5)○150mSv

問17 答(3)
焦点および被照射体から5m以内で1mSv/週

問18 答(3)
(1)事業者の職務
(2)事業者の職務
(4)管理区域ごとに一人
(5)不要

問19 答(4)


問20 答(1)
(1)○製造業で300人以上は総括安全衛生管理者が必要
(2)×1000人以上は産業医の専属が必要
(3)×200人を超え500人以下は二人
(4)×1000人を超え専任、500人を超えで放射線にさらされる業務に30人以上でも専任
(5)×10人以上50人未満は安全衛生推進者が必要


エックス線作業主任者試験B 1/2 エックス線の測定に関する知識

問1 答(1)
540 * 100/90 * 60/100 * ((180-120)/(250-120)*(0.95-0.8)+0.8) = 312.9 ≒ 300

問2 答(4)


問3 答(3)
B×高線量では数え落としが増加し、さらには計数できない窒息現象になる
C×50keV〜5MeV程度

問4 答(5)
昔からある直読式ポケット線量計はコンデンサーと電離箱と指示針でできていて湿気に弱くフェーディング大きい、蛍光ガラス線量計はフェーディングが小さい

問5 答(3)
A×放射線すべて
D×1.6*10^-19J

問6 答(4)
(4)×線量率が高くイオンの固まりが分解される前に次の放射線が入射して数えられないこと

問7 答(4)
印加電圧を増加するに従い、再結合領域、電離箱領域、比例領域、GM領域、連続放電
(1)×電圧が低く電離したイオン対が再結合
(2)×一次イオン対に比例した電流が流れる
(3)×一次イオン対に比例した電流が流れる、二次イオンを増幅(電子なだれ・ガス増幅)
(5)×放射線に関係なく電流が流れる

問8 答(2)
(1)×アルゴンにエチルアルコールを若干加えたものが使われる
(3)×傾斜が小さいほど安定
(4)×分解時間は検出レベルの電圧が得られるまでの時間、回復時間は元々のピーク電圧が得られるまでの時間であり、分解時間<回復時間
(5)×数%

問9 答(1)
(2)×W値はイオン対を生成するためのエネルギーで電離を利用する検出器
(3)×グロー曲線は熱ルミネセンス検出器(TLD)の加熱温度と発光の関係式
(4)×窒息現象はGM計数管
(5)×電子-正孔は半導体検出器

問10 答(5)
(1)×0.1mSv
(2)×20keV〜3MeV
(3)×コントロールフィルム(被曝していない基準)との差をみる
(4)×プラスチック、アルミ、銅、錫


エックス線作業主任者試験B 2/2 エックス線の生体に与える影響に関する知識

問11 答(2)
B×未発達なほど感受性が高い
D×細胞レベルでは平均致死線量や細胞分裂遅延が指標、半致死線量は生物個体
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問12 答(4)
リンパ・骨髄(造血)・生殖>小腸・皮膚>甲状腺・筋肉・結合組織>骨・神経
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問13 答(3)
がんと遺伝的影響は確率的でしきい値がない

問14 答(3)
(3)×潜伏期は数年で晩発性

問15 答(1)
減少の早いものから、白血球(リンパ球)、血小板、赤血球

問16 答(3)
低線量側の症状から、脱毛(~3Gy)<紅斑(3~6Gy)<水泡(7~8Gy)<潰瘍(10Gy~)

問17 答(4)
身体的影響は確定的でしきい値があり低線量では影響はゼロ

問18 答(4)


問19 答(2)
(1)×外部被曝のみ
(3)×間接作用
(4)×直接作用
(5)×間接作用を抑制する

問20 答(3)
(1)×しきい値がある
(2)×確率的
(4)×確率的
(5)×確定的