エックス線作業主任者過去問解説(06下公表問題)

何がしかの基礎知識なりテキストなり持ってる人を対象に簡潔な解説にした。


エックス線作業主任者試験A 1/2 エックス線の管理に関する知識

問1 答(2)
透過率 = I(透過後の線量)/I0(透過前の線量) = exp(-u(線減弱係数)*x(厚み))
これの対数とったlog(I/I0) = -u*x を元に考える
鋼について log(2/8) = log(2^-2) = -2*log2 = -u1*8、log(i1) = log(2^-n1) = -n1*log2 = -u1*10
この二式から n1=2.5 よって i1=2^-2.5
アルミについて log(2/8) = log(2^-2) = -2*log2 = -u2*40、log(i2) = log(2^-n2) = -n2*log2 = -u2*30
この二式から n2=1.5 よって i2=2^-1.5
全体の透過率 i1*i2 = 2^-2.5 * 2^-1.5 = 2^-4 = 1/16 ということで 8mSv / 16 ≒ 500uSv

問2 答(1)
(2)×軌道電子を電離させた分、少ない
(3)×0~180deg(全方向)、ただし同軸方向(0degに近い方、180degに近い方)が多い
(4)×エネルギーが減少した分、波長が長くなる
(5)×対象物質の原子量によるが光電効果が多く次いでコンプトン効果が多い
1.02MeV未満では電子対は生成しない

問3 答(5)
厚くなると、前方散乱は減少し、後方散乱はある程度まで増加する
重い原子ほど光電効果と電子対生成が多くコンプトン散乱が少ない
散乱は照射方向と同軸方向(0degに近い方、180degに近い方)が多い

問4 答(2)
λmin(nm)= 1.24/Vmax(kV)=1.24/150=0.008

問5 答(3)
log(1/10)=log10^-1=-log10=-log2-log5 = -u*H
log(1/2)=log2^-1=-log2=-u*h
この二式から (0.69+1.61)/0.69=H/h ∴H=3.3*h

問6 答(4)
(1)○I/I0=B*exp(-u*x) の Bが再生係数、コンプトン散乱の散乱線が入射エネルギーに重畳する
   u*x<1:B≒1, u*x>1:B≒u*x, 原子番号大または入射エネルギー2MeV超:B=1+u*x
(4)×線量率に依存しない

問7 答(4)
(1)×低エネルギー成分の減衰が多い
(2)×物体の厚さの増加に伴い多くなるが、十分厚くなるとほぼ一定となる
(3)×低エネルギー成分が減衰し最高強度を示すエネルギーは高い成分へ移動する
(4)○
(5)×波長が短くエネルギーが高いので通り抜けやすい

問8 答(3)
(1)×真空
(2)×10V程度で降圧
(4)×ターゲット原子特有の特性エックス線が出ている
(5)×陰極で電子線を集束させる

問9 答(1)
(1)○応力測定 回折
(2)×マイクロアナライザー 分光
(3)×厚さ計 散乱・透過
(4)×蛍光分析 分光
(5)×透過試験 散乱・透過

問10 答(3)
A×あっちこっち
D×よい

エックス線作業主任者試験A 2/2 関係法令

問11 答(3)
(3)×頭・頸部および胸部(a:胸部(妊娠可能な女性は腹部)、b:最も多い場所が次の部位以外ならその部位、c:頭・頸部、胸・上腕部及び腹・大腿部で最も多い場所)

問12 答(3)
(3)×3月ごと及び1年ごと

問13 答(1)
(1)×一時的なら不要

問14 答(4)
(1)×医療用または1000kV以上を除く
(2)×事業者の職務
(3)×管理区域ごとに一人
(5)×不要

問15 答(5)
(1)×6月でなく1月、1年でなく6月
(2)×事業者の職務
(3)×超えるでなく10倍を超えるなら
(4)×報告不要

問16 答(4)
(1)×緊急作業に従事する労働者以外について
(2)×100mSv
(3)×男性及び妊娠する可能性のない女性、実効線量100mSv、皮膚等価線量1Sv
(5)×5年間

問17 答(1)
(1)×一週間で1mSv

問18 答(3)
焦点および被照射体から5m以内で1mSv/週

問19 答(2)

問20 答(4)
(1)×50人以上は衛生委員会が必要
(2)×10人以上50人未満は安全衛生推進者が必要
(3)×有害なら一種または医師など
(4)○製造業で300人以上は総括安全衛生管理者が必要
(5)×1000人以上は産業医の専属が必要


エックス線作業主任者試験B 1/2 エックス線の測定に関する知識

問1 答(2)
25uGy/h * 6/1.5 * 1.2Sv/Gy * 0.92=110uSv/h

問2 答(4)
A×1cmでなく70um
D×70umでなく1cm

問3 答(3)
B×100Jでなく1J
C×照射線量の説明、カーマは非電荷粒子がたたき出した単位質量あたり荷電粒子のエネルギー

問4 答(4)
印加電圧増加に従い、再結合領域、電離箱領域、比例領域、制限比例領域、GM領域、連続放電
(1)×電圧が低く電離したイオン対が再結合
(2)×一次イオン対に比例した電流が流れる
(3)×一次イオン対に比例した電流が流れる、二次イオンを増幅(電子なだれ・ガス増幅)
(5)×放射線に関係なく電流が流れる

問5 答(5)
n0(真値) = n(測定値)/(1-n*t(分解時間)) に当てはめて成り立つ組み合わせ

問6 答(5)
A×指向性のない電離箱式がよい
B×50keV〜5MeV程度

問7 答(2)
(2)×PD型ポケット線量計(pocket dosimeter=ポケット線量計)が意味不明だが、昔からあるポケット線量計(コンデンサーと電離箱と指示針でできている)は直読式

問8 答(4)
(1)×検出下限は低い
(2)×線量範囲は広い
(3)×加熱温度と発光量の関係
(5)×再使用できる

問9 答(2)
(2)×(3)と同じsqrt(10)だと思う

問10 答(1)
(1)×線量率が高くイオンの固まりが分解される前に次の放射線が入射して数えられないこと

エックス線作業主任者試験B 2/2 エックス線の生体に与える影響に関する知識

問11 答(5)
(5)×小児の感受性は高い
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問12 答(5)
リンパ・骨髄(造血)・生殖>小腸・皮膚>甲状腺・筋肉・結合組織>骨・神経
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問13 答(1)
C×半数が30日以内に死亡する線量
D×小腸

問14 答(3)
(1)×間接作用のこと
(2)×直接作用のこと
(4)×説明できる
(5)×変わらない

問15 答(2)
B×確率的も確定的も
D×確定的を影響防止する

問16 答(2)
(2)×放射線の種類やエネルギーによる効果の違いを表したもの

問17 答(4)
(1)急性影響
(2)数年
(3)急性影響
(5)晩発性には重篤度が線量に比例する白内障などと重篤度が一定ながんなどがある

問18 答(2)
B×未熟な細胞のほうが感受性が高い
D×減少の早いものから、白血球(リンパ球)、血小板、赤血球

問19 答(1)
C×実効線量(Sv)=Σ(組織荷重係数*等価線量)、等価線量(Sv)=Σ(放射線荷重係数*吸収線量(Gy))
D×1より小さい、全てを足すと1になる

問20 答(5)
A×不妊、がんなど身体的影響もある
B×身体的影響