エックス線作業主任者過去問解説(07上公表問題)

何がしかの基礎知識なりテキストなり持ってる人を対象に簡潔な解説にした。


エックス線作業主任者試験A 1/2 エックス線の管理に関する知識

問1 答(4)
透過率 = I(透過後の線量)/I0(透過前の線量) = exp(-u(線減弱係数)*x(厚み))
これの対数とったlog(I/I0) = -u*x を元に考える
半価層を知りたいのだから I/I0=1/2、また線減弱係数=質量減弱係数*密度だから
x = log(I/I0)/-u = log(2^-1)/-u = -1*log2 / -2.1*0.11 = 3

問2 答(3)
log(I/I0) = -u*x を元に考える
鋼について log(0.5/4) = log(2^-3) = -3*log2 = -u1*30、log(i1) = log(2^-n1) = -n1*log2 = -u1*15
この二式から n1=1.5 よって i1=2^-1.5
アルミについて log(0.5/4) = log(2^-3) = -3*log2 = -u2*2、log(i2) = log(2^-n2) = -n2*log2 = -u2*5
この二式から n2=7.5 よって i2=2^-7.5
全体の透過率 i1*i2 = 2^-1.5 * 2^-7.5 = 2^-9 = 1/512 ということで 4mSv / 512 ≒ 8uSv

問3 答(3)
(1)×エックス線は荷電粒子でなく光子
(2)×特性エックス線の説明
(4)×制動エックス線の説明
(5)×特性エックス線の波長は管電圧と無関係でターゲット原子による

問4 答(1)
B○なお、エネルギーの低いほうから光電効果、コンプトン効果、電子対生成
C×エネルギーが下がるので波長は長くなる
D×電子2個分のエネルギー1.02MeV以上のエネルギーが必要

問5 答(4)
減弱係数はターゲット材質と入射エネルギーにより変化する

問6 答(1)
(1)○I/I0=B*exp(-u*x) の Bが再生係数、コンプトン散乱の散乱線が入射エネルギーに重畳する
   u*x<1:B≒1, u*x>1:B≒u*x, 原子番号大または入射エネルギー2MeV超:B=1+u*x
(2)×線束が広いほど大きくなる
(3)×吸収体が厚くなるほど大きくなる
(4)×離れると小さくなる
(5)×エネルギー依存性がある

問7 答(5)
(1)×蛍光分析 分光
(2)×透過試験 散乱・透過
(3)×厚さ計 散乱・透過
(4)×マイクロアナライザー 分光
(5)○応力測定 回折

問8 答(1)
(2)×あっちこっち
(3)×線量が低いところから高いところ
(4)×散乱線が怖い、指向性の低い測定器がよい
(5)×できる

問9 答(3)
重い原子ほど光電効果と電子対生成が多くコンプトン散乱が少ない
散乱は照射方向と同軸方向(0degに近い方、180degに近い方)が多い

問10 答(4)
A×陰極で電子線を集束させる
C×実効焦点と実焦点が逆



エックス線作業主任者試験A 2/2 関係法令

問11 答(4)
A×一時的なら不要
C×診断前1年、診断後1年

問12 答(5)
A×6月でなく1月、1年でなく6月
B×超えるでなく10倍を超えるなら

問13 答(3)
(3)×頭・頸部および胸部(a:胸部(妊娠可能な女性は腹部)、b:最も多い場所が次の部位以外ならその部位、c:頭・頸部、胸・上腕部及び腹・大腿部で最も多い場所)

問14 答(1)
(1)×一週間で1mSv

問15 答(2)
(1)×医療用または1000kV以上を除く
(3)×事業者の職務
(4)×事業者の職務
(5)×不要

問16 答(2)
(2)×緊急時の皮膚の被曝限度は1Sv

問17 答(4)
放射線装置室以外の場所または150kV以下を除き自動警報装置が必要

問18 答(3)
焦点および被照射体から5m以内で1mSv/週

問19 答(2)
B×医療用も含まれる
D×そんな決め方じゃない

問20 答(1)
(1)×200人を超え500人以下は二人
(2)○
(3)○1000人以上は産業医の専属が必要
(4)○製造業で300人以上は総括安全衛生管理者が必要
(5)○10人以上50人未満は安全衛生推進者が必要


エックス線作業主任者試験B 1/2 エックス線の測定に関する知識

問1 答(3)
30uSv/h * 20min/2min * ((180-120)/(250-120)*(0.95-0.8)+0.8) = 260uSv/h

問2 答(1)
(1)×線量率が高くイオンの固まりが分解される前に次の放射線が入射して数えられないこと

問3 答(4)
A×放射線すべて
C×実効線量(Sv)=Σ(組織荷重係数*等価線量)、等価線量(Sv)=Σ(放射線荷重係数*吸収線量(Gy))

問4 答(5)
(5)×グロー曲線は熱ルミネセンス検出器(TLD)の加熱温度と発光の関係式

問5 答(2)
(2)×減衰時間は短い

問6 答(4)
B×高線量では数え落としが増加し、さらには計数できない窒息現象になる
D×50keV〜5MeV程度

問7 答(4)
n0(真値) = n(測定値)/(1-n*t(分解時間)) = 800/(1-800*100*10^-6) = 870

問8 答(2)
B×皮膚は70um
D×腹部は1cm

問9 答(3)
昔からある直読式ポケット線量計はコンデンサーと電離箱と指示針でできていて衝撃に弱くフェーディング大きい、フィルムバッジは機械的に強く、蛍光ガラス線量計はフェーディングが小さい

問10 答(1)
C×両者とも読み取り時にエネルギーを放出してしまうから再読み取り不可
D×両者とも再利用可能


エックス線作業主任者試験B 2/2 エックス線の生体に与える影響に関する知識

問11 答(5)
(5)×小児の感受性は高い
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問12 答(4)
リンパ・骨髄(造血)・生殖>小腸・皮膚>甲状腺・筋肉・結合組織>骨・神経
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問13 答(3)
A×白内障は晩発性
D×晩発性にはしきい値のある確定的な白内障としきい値のない確率的ながんがある

問14 答(2)
B×未熟な細胞のほうが感受性が高い
D×減少の早いものから、白血球(リンパ球)、血小板、赤血球

問15 答(1)
低線量側の症状から、脱毛(~3Gy)<紅斑(3~6Gy)<水泡(7~8Gy)<潰瘍(10Gy~)

問16 答(2)
(2)×確定的影響の説明
(5)○遺伝による胎児の奇形と勘違いしない

問17 答(5)
(1)×間接作用の説明
(2)×直接作用のひとつ
(3)×直接と間接が逆
(4)×直接は影響受けず、間接が増加

問18 答(1)
B×死亡する確率が半分になる量
D×実効線量(Sv)=Σ(組織荷重係数*等価線量)、等価線量(Sv)=Σ(放射線荷重係数*吸収線量(Gy))

問19 答(2)
B×@~10Gy、A10~100Gy、B100Gy~
D×@骨髄死(造血障害)、A腸死、B中枢神経死

問20 答(5)
A×不妊、がんなど身体的影響もある
B×細胞死、がんなど身体的