エックス線作業主任者過去問解説(07下公表問題)

何がしかの基礎知識なりテキストなり持ってる人を対象に簡潔な解説にした。


エックス線作業主任者試験A 1/2 エックス線の管理に関する知識

問1 答(3)
距離5mにおいて3月での線量当量=0.4mSv/60分*1.5分/枚*90枚/週*13週=11.7mSv
これが1.3mSvを超えると管理区域となる、また線量は距離の二乗に反比例するから
sqrt(11.7/1.3)*5=15m

問2 答(2)
透過率 = I(透過後の線量)/I0(透過前の線量) = exp(-u(線減弱係数)*x(厚み))
これの対数とったlog(I/I0) = -u*x を元に考える
鋼について log(2/8) = log(2^-2) = -2*log2 = -u1*12、log(i1) = log(2^-n1) = -n1*log2 = -u1*15
この二式から n1=2.5 よって i1=2^-2.5
アルミについて log(2/8) = log(2^-2) = -2*log2 = -u2*40、log(i2) = log(2^-n2) = -n2*log2 = -u2*30
この二式から n2=1.5 よって i2=2^-1.5
全体の透過率 i1*i2 = 2^-2.5 * 2^-1.5 = 2^-4 = 1/16 ということで 8mSv / 16 = 0.5mSv

問3 答(3)
log(I/I0) = -u*x を元に考える
log(1/2)=log2^-1=-log2=-u*6
log(1/10)=log10^-1=-log10= -log2-log5 = -u*x
この二式から x=(0.69+1.61)/0.69*6=20

問4 答(5)
(1)×エックス線は荷電粒子でなく光子
(2)×ガンマ線の説明、特性エックス線は軌道電子の転移で放出
(3)×制動も特性も出る、通常使いたいのは特性エックス線
(4)×特性エックス線が発生する最低電圧

問5 答(5)
(5)×エネルギーの低いほうから光電効果、コンプトン効果、電子対生成

問6 答(1)
(1)×前方散乱は進行方向(0deg)が多い

問7 答(5)
(1)×変わらない
(2)×増加する
(3)×原子に特有な波長でばらばら
(4)×変わらない

問8 答(1)
(1)○I/I0=B*exp(-u*x) の Bが再生係数、コンプトン散乱の散乱線が入射エネルギーに重畳する
   u*x<1:B≒1, u*x>1:B≒u*x, 原子番号大または入射エネルギー2MeV超:B=1+u*x
(2)×線束が広いほど大きくなる
(3)×吸収体が厚くなるほど大きくなる
(4)×離れると小さくなる
(5)×エネルギー依存性がある

問9 答(3)
(1)×真空
(2)×融点が高い
(4)×陰極で電子線を収束させる
(5)×変わる

問10 答(2)
(1)×低いところから
(3)×散乱線の被曝が多い
(4)×あちこち
(5)×使ってよし


エックス線作業主任者試験A 2/2 関係法令

問11 答(1)
(1)×一時的なら不要

問12 答(2)
(2)×腹・大腿部および胸部(a:胸部(妊娠可能な女性は腹部)、b:最も多い場所が次の部位以外ならその部位、c:頭・頸部、胸・上腕部及び腹・大腿部で最も多い場所)

問13 答(4)
(1)×医療用または1000kV以上を除く
(2)×同上
(3)×事業者の職務
(5)×不要

問14 答(3)
(1)×6月でなく1月、1年でなく6月
(2)×70um線量当量が1cm線量当量の10倍を超えるなら
(4)×5年間
(5)×不要

問15 答(2)
放射線装置室以外の場所または150kV以下を除き自動警報装置が必要

問16 答(1)
(1)×1mSv/週

問17 答(5)
(1)×50mSv
(2)×150mSv
(3)×500mSv
(4)×500mSv(緊急作業時の限度と混同しないこと)
(5)○150mSv(同上)

問18 答(4)
焦点および被照射体から5m以内で1mSv/週を超える

問19 答(4)
(1)×波高値で10kV
(2)×定格管電圧によらず適用されない
(3)×関する条文なし
(5)×製造年月

問20 答(1)
(1)○製造業で300人以上は総括安全衛生管理者が必要
(2)×業務により500人か1000人以上
(3)×500人を超え1000人以下なら3人以上、設問の場合は2人以上
(4)×50人以上で衛生管理者が必要なので推進者ではだめ
(5)×業務により500人か1000人以上


エックス線作業主任者試験B 1/2 エックス線の測定に関する知識

問1 答(3)
20uSv/h * 9min/1.5min * ((180-100)/(220-100)*(0.95-0.85)+0.85) = 110uSv/h

問2 答(2)
B×光子(エックス線、ガンマ線)に対して使う
D×実効線量(Sv)=Σ(組織荷重係数*等価線量)、等価線量(Sv)=Σ(放射線荷重係数*吸収線量(Gy))

問3 答(4)
(1)×グロー曲線は熱ルミネセンス検出器(TLD)の加熱温度と発光の関係式
(2)×窒息現象はGM計数管
(3)×アニーリングは特性の悪くなった半導体を焼きなます、又は蛍光ガラス線量計や熱蛍光線量計を熱処理で再生すること
(5)×W値はイオン対を生成するためのエネルギーで電離を利用する検出器

問4 答(4)
A×最大値を使う

問5 答(1)
印加電圧を増加するに従い、再結合領域、電離箱領域、比例領域、制限比例領域、GM領域、連続放電

問6 答(2)
(1)×方向依存性小さい
(3)×直接線のような高線量は数え落としや窒息のもと
(4)×結構頑丈、湿度に弱いのは電離箱式ポケット線量計やNaIシンチレータ
(5)×半導体式は50keV〜5MeV

問7 答(4)
(4)×エネルギー依存性を補正するためにフィルターを使う

問8 答(3)
(3)×ガラスだから割れやすい

問9 答(4)
n0(真値) = n(測定値)/(1-n*t(分解時間)) = 800/(1-800*100*10^-6) = 870

問10 答(1)
(1)×線量率が高くイオンの固まりが分解される前に次の放射線が入射して数えられないこと


エックス線作業主任者試験B 2/2 エックス線の生体に与える影響に関する知識

問11 答(4)
(4)×感受性が高いことは正しいが、リンパ球は分化が進んだ細胞なのに感受性が高いことが法則に反する
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問12 答(5)
リンパ・骨髄(造血)・生殖>小腸・皮膚>甲状腺・筋肉・結合組織>骨・神経
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問13 答(2)


問14 答(2)
B×エックス線やガンマ線
D×確率的影響に関して組織荷重係数が定められる

問15 答(5)
減少の早いものから、白血球(リンパ球)、血小板、赤血球

低線量側の症状から、脱毛(~3Gy)<紅斑(3~6Gy)<水泡(7~8Gy)<潰瘍(10Gy~)

問16 答(4)
(1)×間接作用
(2)×直接作用
(3)×直接作用(不活性割合は一定)、間接作用では不活性分子数は一定(不活性割合は減少)
(5)×説明できる

問17 答(3)
(1)×0.25Gy程度
(2)×1Gy程度
(4)×消化器官の障害
(5)×中枢神経の障害

問18 答(4)
A×不妊、がんなど身体的影響もある
C×身体的影響

問19 答(4)
(1)×確定的影響
(2)×確定的影響
(3)×確定的影響
(5)×確率的影響

問20 答(3)
A×着床前期被曝で生き残ったら影響がない
D×確定的影響