エックス線作業主任者過去問解説(08上公表問題)

何がしかの基礎知識なりテキストなり持ってる人を対象に簡潔な解説にした。


エックス線作業主任者試験A 1/2 エックス線の管理に関する知識

問1 答(4)
点Qおいて3月での線量当量=0.2(mSv/h)*(3(m)/15(m))^2*(110/3600)(h)*n(枚/週)*13(週)
これが1.3(mSv)以下になれば管理区域外となるから n<=409(枚/週)

問2 答(5)
透過率 = I(透過後の線量)/I0(透過前の線量) = exp(-u(線減弱係数)*x(厚み))
これの対数とったlog(I/I0) = -u*x を元に考える
左辺=log(1/10)=log10^-1=-log10= -log2-log5 = -0.69-1.61 = -2.3
右辺= -質量減弱係数*密度*x = -0.5(cm2/g)*7.6(g/cm3)*x = -3.8(1/cm)*x
この二式から x=0.605(cm)

問3 答(3)
(1)×エックス線は荷電粒子でなく光子
(2)×特性エックス線の説明
(4)×ガンマ線の説明
(5)×特性エックス線の波長は管電圧と無関係でターゲット原子による

問4 答(2)
log(I/I0) = -u*x を元に考える
log(1/16) = log(2^-4) = -4*log2 = -u*18
log(0.5/16) = log(2^-5) = -5*log2 = -u*x
この二式から x=22.5(cm)
これより厚いものを選ぶ

問5 答(4)
A×コンプトン散乱のうち、入射光子がエネルギーを失わずに散乱
C×入射光子が電子に衝突して光子が散乱し電子が飛び出す

問6 答(3)
(1)○I/I0=B*exp(-u*x) の Bが再生係数、コンプトン散乱の散乱線が入射エネルギーに重畳する
   u*x<1:B≒1, u*x>1:B≒u*x, 原子番号大または入射エネルギー2MeV超:B=1+u*x
(2)○吸収体が厚くなるほど散乱線が入り乱れ大きくなる
(3)×何と説明すればいいのやら
(4)○選択肢(1)のごとくエネルギー依存性がある
(5)○線束が広いほど散乱線が入り乱れ大きくなる

問7 答(5)
管電流を増加(減少)すると、最短波長(エネルギー)変わらずに強度が増加(減少)する
管電圧を増加(減少)すると、最短波長短く(長く)(エネルギー高く(低く))なり、強度も増加(減少)する

問8 答(5)
(1)×前方散乱線は0deg(照射方向)が最大、90deg(照射方向に直角)が最低
(2)×散乱体が厚くなると内部で散乱して透過が少なく前方散乱も少なくなる
(3)×管電圧が増加するとエックス線のエネルギーが増加し散乱も多くなる
(4)×後方散乱線は180deg(照射元の方向)が最大、90degが最低

問9 答(1)
(1)×陽極のターゲットは熱伝導性のよい銅の台座に、融点が高くエックス線発生効率が高いタングステンを埋め込んで使う

問10 答(4)
(4)×バックグラウンド値を差し引く


エックス線作業主任者試験A 2/2 関係法令

問11 答(1)
(1)×雇い入れ又は配置替えの際、使用する線源の種類等に応じて「白内障に関する目の検査」を省略できる

問12 答(4)
(4)×手指、腹・大腿部および胸部(a:胸部(妊娠可能な女性は腹部)、b:最も多い場所が次の部位以外ならその部位、c:頭・頸部、胸・上腕部及び腹・大腿部で最も多い場所)

問13 答(4)
(1)×5年間に100mSv
(2)×3月間に5mSv
(3)×妊娠中の腹部表面に2mSv
(5)×300mSv

問14 答(1)
(1)×3月、1年及び5年

問15 答(3)
(3)×事業者の職務

問16 答(1)
(1)×6月でなく1月、1年でなく6月

問17 答(4)
(1)×関係者はよい
(2)×1mSv
(3)×20uSv
(5)×30日前

問18 答(5)
D○1年間に50mSvの被曝限度を超えた

問19 答(2)
(2)×適用される

問20 答(2)
(1)○50人以上で衛生管理者が必要なので推進者ではだめ
(2)×製造業で300人以上は総括安全衛生管理者が必要
(3)○業務により500人か1000人以上
(4)○製造業は一種
(5)○業種により50人か100人以上で安全委員会、50人以上で衛生委員会、ひとつにまとめてよい


エックス線作業主任者試験B 1/2 エックス線の測定に関する知識

問1 答(2)
B×光子(エックス線、ガンマ線)に対して使う
D×実効線量(Sv)=Σ(組織荷重係数*等価線量)、等価線量(Sv)=Σ(放射線荷重係数*吸収線量(Gy))

問2 答(4)
A×外部被曝実効線量は1cm線量当量を使う
D×女子の腹部表面の等価線量は1cm線量当量を使う

問3 答(5)
A λmin(nm)= 1.24/Vmax(kV) だから1.24/100=1.24e-2(nm)
B 2.3e-5(Gy/h) * 1.1(Sv/Gy)* (11*60+50)(s)/90(s) * 0.96 =1.92e-4(Sv/h)

問4 答(5)
(5)×G値の説明、W値はイオン対を生成するためのエネルギーで電離を利用する検出器に利用

問5 答(2)
(2)×可視光で減衰時間が短い

問6 答(2)
A○方向依存性小さい
B×GM式は0.1uSv/h〜5mSv/h程度、高線量は数え落としや窒息のもと
C○シンチレーション式は〜30uSv/h程度
D×半導体式は50keV〜5MeV程度

問7 答(3)
n0(真値) = n(測定値)/(1-n*t(分解時間)) = 1200/(1-1200*100e-6) = 1364
1364-1200=164

問8 答(1)


問9 答(2)
(2)×グロー曲線は加熱温度と発光強度の関係式

問10 答(3)
(3)×再読み取り可能


エックス線作業主任者試験B 2/2 エックス線の生体に与える影響に関する知識

問11 答(1)
(2)×S期の前半は後半より感受性が高い
(3)×G1期の後半は感受性が高くなる、G1,S,G2期にはDNA修復しようとするが完全でなく、また修復時は細胞分裂が一時停止し数時間遅延する
(4)×ほとんどの哺乳動物では低線量域に減少の緩やかな肩のある指数関数型(算術目盛ではシグモイド型、縦軸対数目盛では肩のある曲線)、バクテリアは指数関数型(縦軸対数目盛では直線)
(5)×半致死線量の説明、平均致死量は(4)のグラフ(縦軸対数グラフで)の生存率曲線の直線部で生存率を37%に減少させるのに必要な線量
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-02-16 図1,4参照
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=09-02-02-09 図1,2,4参照

問12 答(1)
リンパ・骨髄(造血)・生殖>小腸・皮膚>甲状腺・筋肉・結合組織>骨・神経
ベルゴニー・トリボンドーの法則(細胞分裂が活発なほど、将来の分裂数が多いほど、未分化なほど感受性が高い)

問13 答(3)
確率的影響はBとD

問14 答(5)
(5)×放射線荷重係数は低線量における確率的影響の誘発に関する各種放射線のRBEをもとに定められた

問15 答(2)
B×血小板の減少により止血作用が弱まる
D×減少の早いものから、白血球(リンパ球)、血小板、赤血球

問16 答(5)
(1)×生体高分子はDNA、たんぱく質及び糖質などで、そのうちDNAが破壊されると細胞に障害が発生する
(2)×2次電子ではなくフリーラジカル(OH*、H*)
(3)×間接作用の影響が大きい
(4)×間接作用

問17 答(2)
(1)×@骨髄死、A腸死、B中枢神経死
(3)×10〜20日
(4)×@10Gy、A100Gy、B1000Gy
(5)×数時間から2日

問18 答(2)
B×実効線量で確率的影響を評価できる
D×放射線防護目的は確定的な有害な影響を防止し確率的影響を容認できるレベルまで制限すること

問19 答(5)
(1)×数週間以内を急性影響、数ヶ月以上を晩発影響
(2)×脱毛は急性影響
(3)×がんの中で白血病の潜伏期間は比較的短い
(4)×一般に線量が大きいと潜伏期間は短い

問20 答(5)
(5)×胎内被曝後の発育不全は確定的影響