エックス線作業主任者過去問解説(10上公表問題)

何がしかの基礎知識なりテキストなり持ってる人を対象に簡潔な解説にした。


エックス線作業主任者試験A 1/2 エックス線の管理に関する知識

問1 答(5)
透過率 = I(透過後の線量)/I0(透過前の線量) = exp(-u(線減弱係数)*x(厚み))
これの対数とったlog(I/I0) = -u*x を元に考える
鉄の透過率、線減弱係数、厚みを、a,u,xとし、同じくアルミをb,v,yとする
重ねた透過率=a*b=exp(-u*x)*exp(-v*y)=exp(-u*x-v*y)
対数とると、log(重ねた透過率)=-(u*x+v*y)
左辺=log(7.5/120)=log(1/16)=-4log2=-2.76
右辺=-(3*x+0.5*y)
選択肢を順に代入してみるとx=0.46cm,y=2.76cmで成り立つ

問2 答(4)
点Qおいて3月での線量当量=0.3(mSv/min)*(1(m)/x(m))^2*(110/60)(min)*130(枚/週)*13(週)
これが1.3(mSv)以下になれば管理区域外となるから x>=sqrt(929.5/1.3)=26.7(m)
これ以上の距離で管理区域外

問3 答(1)
(2)×内殻電子
(3)×光子エネルギーから電離エネルギーを引いたエネルギー
(4)×原子番号が大きくなるほど増大する
(5)×光子エネルギーの小さいほうから光電効果、コンプトン散乱、電子対生成

問4 答(3)
(1)×線量率依存じゃなくエネルギー依存
(2)×エネルギーが高いと減弱係数が小さく(相互作用し難く)半価層が厚くなる
(3)○log(1/2)=-u*h、log(2)=u*h
(4)×原子番号が大きい方が減弱係数が大きく(相互作用し易く)半価層が薄くなる
(5)×半価層の5倍の厚みは(1/2)^5で1/32価層

問5 答(3)
(3)×実効焦点が小さくなるようにしてある

問6 答(1)
B=(Ip+Is)/Ip=1+Is/Ip

問7 答(1)
(1)×エックス線を照射したときに光電効果とともに発生する特性エックス線を蛍光エックス線と呼び、その波長やエネルギーを測定(分光)することにより元素分析する

問8 答(1)

問9 答(3)

問10 答(3)
<基発第253号 別添1 管理区域の設定等に当たっての留意事項http://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-42/hor1-42-20-1-2.html


エックス線作業主任者試験A 2/2 関係法令

<法令名記載なきものは電離放射線障害防止規則

問11 答(3)
(1)×<第56条>不要
(2)×<第56条>雇い入れ又は配置替えの際、使用する線源の種類等に応じて「白内障に関する目の検査」を省略できる
(3)○<第56条>
(4)×<第57条の2>異常の所見がある場合(安衛法第66条の4)、3月以内に医師から意見聴取
(5)×<第58条>定期健康診断を行ったときは、電離放射線健康診断結果報告書を提出

問12 答(1)
(1)×<第54条>一定している場合は6月以内ごとに1回
(2)○<第54条>
(3)○<第54条>
(4)○<第54条>
(5)○<第54条>

問13 答(2)
(1)×<第3条の2>1週間につき1mSv以下
(2)○<第17条>
(3)×<第15条>20uSv/hを超えない
(4)×<第18条>装置室以外の場所で使用するとき、5m以内を立ち入り禁止
(5)×<安衛法第88条>30日前までに届出

問14 答(5)

B×<第58条>定期健康診断の場合
C×<第54条>規定なし
D○<第43条、第42条>
E○<第44条、第4条>1年間で50mSvを超える

問15 答(2)
<第8条>
a:胸部(妊娠可能な女性は腹部)
b:頭・頸部、胸・上腕部(男性又は妊娠可能でない女性を除く)、腹・大腿部(妊娠可能な女性を除く)のうち最も多い部位
c:最も多い部位が頭・頸部、胸・上腕部及び腹・大腿部以外ならその部位

問16 答(1)
<第9条>男性または妊娠しない女性は3月、1年、5年、妊娠する可能性のある女性は1月、3月、1年

問17 答(1)
A○<第47条>
B○<第47条>
C×<第47条>
D×<第47条>

問18 答(5)
<第4条>

問19 答(4)
(1)×適用される
(2)×適用される
(3)×異なる
(4)○
(5)×定格出力、型式、製造者名及び製造年月日
<エックス線装置構造規格 http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-12/hor1-12-5-1-0.htm

問20 答(1)
<この問は安衛法、施行令、施行規則>
(1)×<法第10条、令第2条>製造業等々で300人以上なら総括安全衛生管理者が必要
(2)○<法第12条の2、則第12条の2>10人以上50人未満なら安全衛生推進者が必要
(3)○<法第13条、則第13条>1000人以上なら専属の産業医が必要
(4)○<法第12条、則第7条>製造業は第一種
(5)○<法第19条>


エックス線作業主任者試験B 1/2 エックス線の測定に関する知識

問1 答(5)
透過率 = exp(-u(質量減弱係数)*d(密度)*x(厚み))
これの対数とったlog(透過率) = -u*d*x を元に考える
log(0.5)=-log2=-u*7.8*0.45=-0.693
u=0.197 で、グラフ見る

問2 答(2)
(1)×W値は気体の種類に依存し、入射エネルギーによらずほぼ一定
(3)×出力は入射エネルギーによらず一定の大きさ
(4)×グロー曲線は加熱温度と蛍光強度の関係を示す
(5)×時定数が長ければ揺らぎが小さくなる

問3 答(2)
30uSv/h * 6min/(110/60)min * ((180-120)/(250-120)*(0.98-0.85)+0.85) = 89uSv/h

問4 答(4)
(4)×カーマ J/kg

問5 答(4)
A×実行線量は1cm線量当量

問6 答(5)
A×一次電離の量より減少した出力
B×一次電離の量と同じ出力
C○一次電離の量に比例した増幅された出力
D○一次電離の量に無関係な増幅された一定の出力

問7 答(2)
(2)×可視光領域の減衰時間の短い蛍光

問8 答(2)
(2)×シンチレーション式にはエネルギーが低すぎて線量率が高すぎる

電離箱式 30k〜2MeV
30k〜2MeV
1u〜100mSv/h
1u〜300mSv/h
GM式 50k〜2MeV
0.3u〜300uSv/h
0.1u〜10mSv/h
シンチレーション式 50k〜3MeV
50k〜3MeV
0.1u〜30uSv/h
BG〜30uSv/h
半導体式 50k〜3MeV
1u〜100mSv/h

  引用元 上段:放射線安全管理の実際(アイソトープ協会) 下段:アロカHP

問9 答(3)

問10 答(5)
(5)×RPLDも加熱により再利用できる


エックス線作業主任者試験B 2/2 エックス線の生体に与える影響に関する知識

問11 答(1)
C×バクテリア(1標的1ヒットモデル)は指数関数型、哺乳動物(多重標的1ヒットモデル)はシグモイド型
D×平均致死線量が大きければ感受性は低い

問12 答(3)
A×白内障は数年で晩発影響
D×脱毛は数週間で早期影響

問13 答(5)
(5)×減少が早い順にリンパ球、白血球、血小板、赤血球

問14 答(3)
(1)×確定的は発生率と被曝線量の関係がシグモイド
(2)×確率的は発生率と被曝線量の関係が直線
(4)×しきい線量は確率的影響になく確定的影響にある
(5)×確定的影響は身体のその部位の等価線量で評価、確率的影響は身体全体の実効線量で評価

問15 答(2)
(1)×1Gy程度で放射線宿酔
(3)×ヒトの半致死線量LD50/60は4Gy程度
(4)×3〜5Gy程度での死亡は造血器障害(骨髄死)
(5)×5〜10Gy程度での死亡は消化器官障害(腸死)、それ以上は神経系障害(中枢神経死)

問16 答(4)
(1)×塩基損傷もある
(2)×2本鎖切断の頻度は1本鎖切断の頻度より少ない
(3)×塩基損傷も修復される
(5)×誤結合による染色体異常となることがある

問17 答(5)
(5)×胎内被曝による精神発達遅延は確定的影響

問18 答(4)
(4)×突然変異を自然の2倍にするための線量を倍加線量とよび、大きいほど影響が起こりにくい

問19 答(4)
(1)×フリーラジカルによる作用は間接作用
(2)×二次電子による作用は直接作用
(3)×温度効果は間接作用による
(5)×希釈効果は間接作用による

問20 答(2)
(2)×実効線量=組織荷重係数×等価線量