エックス線作業主任者過去問解説(11上公表問題)

何がしかの基礎知識なりテキストなり持ってる人を対象に簡潔な解説にした。


エックス線作業主任者試験A 1/2 エックス線の管理に関する知識

問1 答(2)
透過率 = I(透過後の線量)/I0(透過前の線量) = exp(-u(線減弱係数)*x(厚み))
これの対数とったloge(I/I0) = -u*x を元に考える
遮蔽18mmのとき loge(1/16) = -4*loge2 = -u*18
遮蔽変更後 loge(0.5/16) = -5*loge2 = -u*x
両式より x=5/4*18=22.5

問2 答(3)
(1)×荷電粒子でなく電磁波
(2)×制動エックス線でなく特性エックス線
(4)×特性エックス線の波長は変わらず、強さは強くなる
(5)×特性エックス線の波長は変わらず、強さは強くなる

問3 答(5)
点Qおいて3月での線量当量=0.2mSv/h*(2m/16m)^2*(150/3600)h*n枚/週*13週
これが1.3(mSv)以下になれば管理区域外となるから n<=1.3/1.69e-3=768
これ以下の枚数で管理区域外

問4 答(4)
(4)×集束カップは陰極で電子線を絞る

問5 答(5)
(1)×エネルギーが高いと減弱係数が小さく(相互作用し難く)半価層が大きい
(2)×線量率依存じゃなくエネルギー依存
(3)×loge(1/2)=-u*h、反比例
(4)×軟エックス線は硬エックス線よりエネルギーが低いので半価層が小さい
(5)○半価層hについて、loge(1/2)=-u*h、loge2=uh
1/10値層Hについて、loge(1/10)=-u*H、loge10=uH
両式からH=h*loge10/loge2

問6 答(2)
(2)×光子エネルギーの小さいほうから光電効果、コンプトン散乱、電子対生成

問7 答(1)
(2)×管電流により波長は変化せず強度が変化
(3)×管電流により波長は変化せず強度が変化
(4)×強度はターゲット元素で変化する
(5)×最短波長は管電圧のみに依存する λ(nm)=1.24/V(kV)

問8 答(5)
(5)×再生係数は線量率に依存しない

問9 答(4)
(1)×前方散乱は散乱角0degで最大
(2)×前方散乱は板厚に反比例
(3)×散乱角90degで最小
(4)○後方散乱は散乱角180degで最大
(5)×後方散乱は板厚とともに増加し、ある程度の厚さで一定となる

問10 答(1)
(2)×積算型を用いてもよい
(3)×床上1m
(4)×低いところから高いところ
(5)×測定値からバックグランド値を減算する
<基発第253号 別添1 管理区域の設定等に当たっての留意事項http://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-42/hor1-42-20-1-2.html


エックス線作業主任者試験A 2/2 関係法令

<法令名記載なきものは電離放射線障害防止規則

問11 答(2)
(1)○<第56条>
(2)×<第56条>6月でなく1年
(3)○<第57条の2>
(4)○<第58条>
(5)○<第57条>

問12 答(4)
<第47条>

問13 答(3)
(1)○<第4条>
(2)○<第4条>
(3)×<第7条>100mSv
(4)○<第5条>
(5)○<第7条>


問14 答(3)
<第8条>
a:胸部(妊娠可能な女性は腹部)
b:頭・頸部、胸・上腕部(男性又は妊娠可能でない女性を除く)、腹・大腿部(妊娠可能な女性を除く)のうち最も多い部位
c:最も多い部位が頭・頸部、胸・上腕部及び腹・大腿部以外ならその部位

問15 (3)
<第9条>組織別等価線量は3月ごと及び1年ごと

問16 答(2)
(1)○<第15条>
(2)×<第3条の2>1週間につき1mSv以下
(3)○<第10条>
(4)○<第17条>
(5)○<第13条>

問17 答(5)
<第54条>
A×原則1月(固定で6月)
B×70um線量当量が1cm線量当量の10倍以上で

問18 答(1)
定格出力、型式、製造者名及び製造年月日
<エックス線装置構造規格 http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-12/hor1-12-5-1-0.htm


問19 答(4)
A×<第43条>緊急作業者以外立ち入り禁止
B○<第42条>
C×<第44条>全員受診
D○<第45条>

問20 答(2)
<この問は安衛法、施行令、施行規則>
(1)○<法第12条の2、則第12条の2>10人以上50人未満なら安全衛生推進者が必要
(2)×<法第10条、令第2条>製造業等々で300人以上なら総括安全衛生管理者が必要
(3)○<法第12条、則第7条>製造業は第一種、200人を超え500人以下で2人選任
(4)○<法第13条、則第13条>1000人以上なら専属の産業医が必要
(5)○<法第19条>


エックス線作業主任者試験B 1/2 エックス線の測定に関する知識

問1 答(3)
2.5e-5(Gy/h)*1.1(Sv/Gy)*(21*60+50)/(3*60+20)*0.94=1.69e-4(Sv/h)=169(uSv/h)

問2 答(4)
(1)×吸収線量(J/kg,Gy)は直接・間接電離放射線
(2)×カーマ(J/kg,Gy)は間接電離放射線で単位質量
(3)×照射線量(C/kg)は間接電離放射線
(5)×eVはeV(電子ボルト)は、エネルギーの単位として使用され、約1.6e-19J

問3 答(4)
A×1cm
D×1cm

問4 答(4)
(4)×グロー曲線は熱ルミネセンス線量計の加熱温度と蛍光強度の関係を示す

問5 答(5)
(5)×G値は化学線量計

問6 答(2)
(1)×電離箱式は方向依存性が小さい
(3)×GM計数管式は方向依存性が大きい
(4)×電離箱式の説明
(5)×半導体式は30keV以下には適さない

問7 答(5)

問8 答(1)
n0(真値) = n(測定値)/(1-n*t(分解時間)) = 1000/(1-1000*200e-6) = 1250
1250-1000=250

問9 答(3)

問10 答(2)
B×RPLDは紫外線レーザ
D×RPLDは繰り返し使用できる


エックス線作業主任者試験B 2/2 エックス線の生体に与える影響に関する知識

問11 答(1)
(2)×高い
(3)×低い
(4)×低い
(5)×バクテリア(1標的1ヒットモデル)は指数関数型、哺乳動物(多重標的1ヒットモデル)はシグモイド型

問12 答(2)
B×骨髄障害
D×被爆者の半数

問13 答(4)

問14 答(3)
A×白内障は数年で晩発影響
D×晩発でも確率的影響の重篤度は被ばく線量に依存しない

問15 答(3)
(1)×確定的は発生率と被曝線量の関係がシグモイド
(2)×確率的は発生率と被曝線量の関係が直線的
(4)×遺伝的影響は確率的影響
(5)×確定的影響は身体のその部位の等価線量で評価、確率的影響は身体全体の実効線量で評価

問16 答(4)
(4)×血液影響は250mGy程度から

問17 答(2)
B×平均致死線量は生存率37%となる線量
D×生物学的効果比は同じ反応を起こす吸収線量の比

問18 答(1)
C×可能性あり
D×起こりにくい

問19 答(5)
(5)×2本鎖切断の修復は1本鎖切断修復より困難で誤結合による染色体異常となることがある

問20 答(5)
(5)×確定的影響